今年はやけにゴキブリの出現数が多い我が家の中でも、飛び抜けて多い出現場所が脱衣所/風呂場である。浴室の換気扇に隙間があり、屋内外の通路になっているのか、常に水気がある上に洗濯機の下という絶好のアンブッシュポイントがあることもあって、人気の給水スポットとしてみんなが代わる代わる訪れているのか、またはその両方だと思われる。

浴室でシャンプーを洗い流して顔を上げたら、壁に張り付いていた彼と目が合った。というような事になれば、あなたの肌を守るものは何もない。洋服という鎧を着、機械文明に支えられた現代にも、一匹の裸の動物として、多種族との生存を賭けた争いの場が残されていたのだ。それも自宅に。
という発想をするようでは多くの人は敗れてしまうだろう。殆どの人は服を脱いだからといって容易く一匹の獣になれるわけではない。たった数ｃｍの彼らを鷲掴み、踏み潰すことすらままならないのだ。

僕らは化学で戦おう。
幸いなことに、裸であるという大きなディスアドバンテージを覆すほどの薬品群が大抵のお宅の風呂場にはある。これをうまく使わなければならない。
と言われてあなたはどういった戦法を思いつくだろうか。
掃除用洗剤を吹きかける？　それでは目線より高い場所に居た時に自分に洗剤が吹きかかり、ダメージを受けるリスクがある。それが漂白剤なら思ってもいない大ダメージを受けてしまう可能性すらある。
ではシャワーの熱湯はどうだろうか。人にダメージのない範囲の熱湯では実はすぐには死んでくれないし、目線より高くにいる場合はシャワーによってはまず届かないこともある。
そして、最も恐ろしいのがこれらの攻撃を外した時に、しばしば彼らが飛行モードに入ることである。これは文字にするのも憚られる恐ろしさなので、詳細は割愛するが、この攻撃を受けて高所のゴキブリに近づけなくなった人間は多いという。

今回提案する手法は、自分が浴びてもダメージが殆どなく、外す心配も少なく、敵は即死するという超効率戦法だ。
簡単に書くと「洗面器いっぱいにシャンプー等を溶かした水(お湯)を貯め、目標に向かってぶちまける。」という方法。びっくりするほど即死する。
シャンプーやボディソープを使うことで誤爆時の人体へのダメージを減らし、ノズルから出る数ｍｌの液ではなく、洗面器いっぱいの数リットルの水を使うことで命中率も上がる。使用後もシャワーで流すだけでよいので楽だ。

こんなことは現代日本人の基礎教養なので、改めて説明することでもないのだろうが、ゴキブリの呼吸孔は普段油で覆われていて、ちょっとやそっと水をかけたくらいではピンピンしているし、持ち前のアジリティで逃げ去ってしまうが、界面活性剤(洗剤などに入っているよ！)をかけると油膜が無効化されるので普通に溺れてしまう。
界面活性剤と同時に数リットルの水をぶつけられればひとたまりもないのだ。
「あれ？どこにいった？」と探すと排水口の近くでひっくり返って動かなくなっていること間違いなしである。

皆さんには是非実行して頂き、彼らとの血みどろの戦いに終止符を打ってもらいたいが、言うまでもなくゴキブリのでない住環境を構築することが最も望ましい。
体感的にはブラックキャップを置くとその夏は一度も見なかったりするのでおすすめ。