見ました。
来ましたよ。みんな大好き、「世界の人口が激減するほどの危機から、そのことが忘れ去られてしまう程の時間が経った後、むしろ科学技術は当時よりも後退していた系SF」です。
実際に皆さんが好きなのかどうかはわかりませんが、個人的には、世界には謎がある系のお話、就中、「世界の人口が激減するほどの危機から、そのことが忘れ去られてしまう程の時間が経った後、むしろ科学技術は当時よりも後退していた系SF」は好みです。∀ガンダムとかうたわれるものみたいな。
今回見た『新世界より』というアニメは貴志祐介の小説を原作としたものです。見よう見ようとは思っていたものの、同じ貴志祐介の小説を原作とした『悪の教典』の映画がストーリー的にあまり面白いものではなかったので今まで引っ張っていたのですが、見てみるとそれはそれは面白い。
僕らが生きている現代にサイコキネシスを持つ個体が現れ始めてからおよそ1000年後の日本。注連縄に囲まれ、豊かな自然を持つ町で、人々は科学を呪力と呼ばれるサイコキネシスに持ち替えて生活している。争いもなく平和ながらも、昨日まで共に学校で呪力を磨いていた仲間が密かに消えても疑問すら感じられないどこか歪んだ社会。たった1000年後の世界にも関わらず、現代では全く見られない形態の生き物たち。
読者がそういった世界にどこか違和感を覚える頃、主人公たちが子どもたちだけで注連縄の外に出る夏季キャンプというイベントで、偶然に先史文明と呼ばれる1000年前の文明が崩壊した理由やその後の血塗られた歴史を知ってしまい、ストーリーが急展開を迎え、どんどんとのめり込んでいってしまう。
世界や歴史等の設定が非常に良く練られていて、呪力やそれを中心に構築されている社会システムがすっと受け入れられるようになっているし、設定そのものも魅力的。そうして気がつくと、謎が少しずつ明かされてゆく快感に囚われている。そんなアニメです。
自分はそうでもなかったのですが、原作未読でアニメを見た人で、分かりにくいと感じる人もまあまあいるようで、そういう方のためにアニメ公式で設定をわかりやすく説明してくれているので参考にどうぞ。
日本SF大賞受賞作である原作小説は、今上巻を読んでいる途中です。中巻と下巻とBDください。
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