好奇心は鯖をも殺す

日記

はじめから仕組まれていた高尾山

年明け頃からALTER EGOというスマートフォン用ゲームにハマっていた。暗い廊下を延々と歩きながら自分を探すというコンセプトで、ゲーム性としてはクッキークリッカーのクッキーがEGO、ババアがエスという女の子に置き換わったようなもの。要はクリッカーゲームだ。エゴを貯めることで本を読んだり、エスと会話をすることができる。
本しかない空間で一人過ごすエスもプレイヤーと同じように自分が何者なのかという問いに悩んでおり、会話での返答次第でゲームの進行やエス自身も大きく変わっていく所が非常に面白い。

そんなゲームのLINEスタンプが最近出たので即買ったのだが、基本的にゲームの内容に関連したスタンプになっている所に、突然本編と全く関係ない「高尾山登るぞ」というスタンプが現れる。キャラデザの方のツイートからのネタらしいが、ゲームだけプレイしていても全く文脈が読み取れない。
読み取れないのに一度そのスタンプを送ると高尾山に登りたい気持ちが湧き上がってくる。
というわけで行きました。

前日に遊んだ友人から、「自分も明日高尾山に行くし、なんか蕎麦フェア的なやつやってる」という情報を得て、ますます高尾山欲が高まってしまった。5日間旅行をしたら7回くらいは蕎麦を食べてしまうタイプの人間なので。
たまらなくなって行っても良いような雰囲気を出していた別の友人に追い高尾山スタンプを送ると、「今日?明日?」と返信がある。最高。このくらいのスピード感で物事を進めていくぞ。

さて当日、山頂で丁度昼頃になるように10時頃に高尾山口駅へ。
一応エスに声を掛けてみる。


はい。

ロープウェーなんて甘っちょろいものは使わない。なぜなら我々は九州アイランドで野山に揉まれて育ってきたから。
とは言うものの、散歩くらいの装備しかないし…と多少のビビリが入ってコースは最もベーシックな1号路へ。
冬にもかかわらず5分も登ると汗が滲んでくる。まあまあ普通に山だ。重力の影響をまともに受けた友人がデカい体に生まれたのを後悔しだしていたので、こまめに休憩を取りながら進んだ。
高尾山1号路には道々に六根清浄と書かれた石を回して徳を積むアイテムとしか思えないセーブポイントチックなものが生えているので、休憩地点には困らない。これは助かる。

半分程登ると急に人が増えた。課金勢である。ケーブルカーやリフトで中腹まで乗ってきた客は体力の消耗がないのでニコニコ顔で登っていく。
課金勢が流入してからは急に傾斜がなだらかになり、イージーモードと化す。集団で登っていく様は観光地のそれだ。ハイキング合コンみたいなイベントなのか、運営っぽい男が「じゃあここからはペア変えてみましょうか」などと言っているのも聞こえるくらいだ。

高尾山といえばヤマノススメだ。1期の8~10話の舞台となっており、途中の店にはポスターも貼ってある。1話3分半しかなく、10分ちょいで高尾山編を見てしまえるので見てほしい。
いつでもスマートフォンでヤマノススメのアニメを見られるように環境を整備しているので、ヤマノススメの劇中で団子を食べているシーンを見ながら団子を食べることができる。最高のアニメ体験をしてしまった。

アニメの中でも通っている1号路を登ること2時間弱、山頂に着いた。
わりとあっさり着いてしまって拍子抜けしてしまった。山頂のシンボル的な所で記念撮影をする列があったのですこし迷ったが、達成感の無さとしょうもないプライドが写真を撮らせなかった。山頂では特にやることもないので蕎麦を食し、下る。
復路は一番きついコースらしい6号路へ行くことにした。ヤマノススメで通っているので。
ヤマノススメを見ていない友人に「ここで靴底が剥がれたここなちゃんとエンカウントする。」とか「ここは3人で手を繋いで進むポイント。」などと繰り返してしまう。
劇中では綺麗な沢を渡っていたが、当日は雪の残った滑りやすい岩場や泥道を下り、二人共膝と靴にダメージを追ってしまった。
上りでこのルートだったら死んでいたなと思いつつ、重力の力で下り切る。

下ったら蕎麦だ。自然薯蕎麦の余ったとろろに麦飯を投入して食べる(推奨ソリューション)とアミノ酸と糖がバチバチに脳に効き、人間性を取り戻してしまう。
ここに来て完全にALTER EGO、蕎麦、ヤマノススメの三要素が合一する。何らかの力によってはじめから仕組まれていたとしか思えない。
ここから更に高尾山口駅前に用意されていた温泉をキメる。我々は完全に京王グループの掌で踊らされている。
コーヒー牛乳を飲み、一日が終了した感覚で駅で帰りの電車を待っていてもまだ15時で、最高のエクスペリエンスとしか言いようがない。
夜には焼いた肉を食し、更に徳を積んでしまった。高尾山は危険だ。

九州の山で拾ってきた竹や木で弓矢を作って遊んでいたような少年だったので、高尾山で楽しめるのか半信半疑だったが、辛くならない程度の適度な運動や非日常があり、とてもに良かった。今後もこういうフィジカルな経験を重ねていかなければ。
前日遊んでいた友人とは帰りの駅前で遭遇した。女二人で男根崇拝について話していたとのことで、とても良い事だと思う。

これを書きながらヤマノススメ1期を2周見てしまいました。
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